ダイブマスター講習の内容と心構え

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ダイブマスターはダイビングのプロフェッショナルに含まれるランクで、指導団体の保険に加入してダイバーを引率することが出来ます。多くのダイビングショップの採用条件がダイブマスター以上となっていることから、ダイビングを仕事にしようと思うのなら、まずはダイブマスターを目指さなければなりません。

ここでは、ダイブマスター講習の概要を紹介しますが、講習内容が非常にフレキシブルで、各指導団体はもちろんのこと、ショップや担当インストラクターによっても重点を置くポイントが少しずつ異なりますので、おおよその部分の解説となっています。(柔軟なアレンジが可能ダイブマスター講習なのですが、優れた講習に共通するのは、インストラクターの工夫と妥協しない姿勢によって、受講者にマニュアル以上のものが身に付くという点です。)

なお、各指導団体によってダイブマスターに相当するランクの名称が異なりますが、ここでは便宜上ダイブマスターに統一したいと思います。

ガラスハゼ

ガラスハゼ

難易度・所要日数・費用

ダイバーとして一定以上の能力を求められるので、難易度は高いと言えば高いのかもしれませんが、ダイブマスター講習は育成という性格も強いため、単純に合格・不合格というのではなく、ダイブマスターのレベルに達するまでしっかり育てる(講習を続ける)という事が多いです。そのため、所要日数はかなり幅があり、短期集中で二週間程度で修了する人もいれば、飛び飛びで一年以上かかる人もいます。従って費用に関しても、ショップごとに講習費用は決まっているものの、ケースに応じてタンク代や交通費、宿泊費、追加ダイブ代などの諸経費が変わってくるので、おおよその数字も出しにくくなっています。

ダイビングショップとしては、プロであるダイブマスターを納得のいかない中途半端な形で認定するわけにはいきませんし、講習を申し込む側も、出来るだけ短期間で安く済ませたいというようなスタンスでは、ダイブマスター講習の主旨には合わないと言わざるを得ません。日程が長引く可能性も視野に入れて、ショップとゲストで双方納得のいく形で講習をスタートさせるべきでしょう。

以下がダイブマスター講習の概要です。

【ダイブマスター講習の概要】

学科講習(筆記試験)

水中スキル

  • 泳力
  • レスキュー
  • 基本スキル

現場での実践

  • 実践的スキル
  • 実践評価

学科講習

ダイブマスターとして求められる知識は、これまでに身に付けてきたダイビングに関する知識全てに加えて、ダイブマスターとしての資質や実務に関するものも含まれます。ダイビング指導団体からメンバーNo.を与えられるわけですから、一般の知識はもちろんのこと、指導哲学的な部分やプロフェッショナリズムが要求されるわけですね。

クラスルーム(授業)の形で学科講習が行われる場合もありますが、自習の場合もあります。いずれにしても、ダイビングに関する物理・生理や器材といったこれまでに学習したことのある分野は、本来なら改めて教わる事ではありません。知識に不足があるなら、講習開始までに復習をしておくくらいの姿勢が、ダイブマスター候補生には欲しいところです。

また筆記試験も行われ、出題範囲は物理・生理・環境・器材・減圧理論・ダイブマスターの実務等に関する複数の分野にわたります。ほとんどの指導団体で、各分野ごとに合格ラインを超える必要があり、オールラウンドな知識が求められます。

私個人だけではないと思うのですが、インストラクターサイドがダイブマスター講習で重視したいのは、「候補生を実際にダイブマスターとして世に出すこと」であり、実際の現場に即した実務や安全管理をしっかり身に付けて欲しいわけです。つまり、勉強すれば各自でも身に付くはずの学科部分は、クリアすることが前提条件とされていると思ってください。

水中スキル

ダイブマスターはダイバーを水中で引率できるランクですので、相応の泳力やダイビングスキル、そして万が一の時のレスキュースキルも求められます。これらも、学科の知識と同じで、ダイブマスターになる人ならば問題無く身に付いている事を前提に評価されていきます。

泳力

ダイブマスター講習には泳力テストがあります。「泳げなくてもダイビングは出来ます!」というキャッチコピーはよく目にしますが、Cカード講習参加者ならまだしも、ダイブマスターになろうという人が泳げないわけにはいきません。もっと言うなら、泳ぎは得意である方が望ましいでしょう。

内容としては、水泳、スノーケルスイム、立ち泳ぎ、ダイバーの曳航などです。立ち泳ぎは10~15分程度、ラスト1,2分は手を水面上に挙げたり、ウェイトを持ったりするケースもあります。それ以外の種目は100~400m程度をノンストップで泳ぎ、クリアタイムの基準があったり、タイムに応じて点数がつけられます。

泳ぎに多少覚えがある人でも、しばらくちゃんと泳いでいない場合はスタミナ面でクリアが心配されますので、これを機にスポーツクラブ等でトレーニングをしましょう。いずれダイブマスターになるのであれば、泳力があるに越したことはありません。

レスキュー

レスキュー講習では主に事故を未然に防ぐことに主眼が置かれますが、ダイブマスターレベルでは、まず事故を起こさないことが大前提ながら、万が一の場合の適切な対応までが要求されます。つまりは救助ですね。

評価の内容は、水中の事故者を水面に引き上げ、レスキュー呼吸をしながら曳航し、水から揚げる(場合によってはCPRも)までの、いわゆるフルレスキューになります。レスキュー講習でも一度は通してフルレスキューを行うはずですので、その復習ですね。

このレスキューの部分も、泳力と同じで評価という形で採点のみをすることが多いので、一から指導されるという事はありません。もちろん、手順や方法に不足があればインストラクターから補習的に説明はありますが、自分でも事前にしっかり復習した上でのぞみ、一発合格したいところです。

レスキュー講習の時よりも、見る目が厳しくなるインストラクターがほとんどだと思いますので、もたつきや乱れが無く、流れるようなレスキューが出来るよう、手順は叩き込んでおきましょう。実際の救助現場はそれだけシビアさが求められるという事です。

基本スキル

ダイビングの基本スキルをチェックする項目ですが、ただスキルが身に付いているかを見るのではなく、デモンストレーションレベルで行えるかが問われます。ここで言うデモンストレーションとは、講習時にインストラクターが生徒ダイバーに見せるお手本の事で、生徒がそのスキルの特徴や注意点を一目見て分かるよう、正しくゆっくりとした動作でポイントを誇張して行うことが大切です。

課題となるスキル自体は、基本的にCカード講習レベルのスキルなのですが、デモンストレーションレベルというのがダイブマスター候補生の段階ではまだ馴染みが無いはずなので、戸惑う人も多いかと思います。環境が整っているならばみっちり練習をしておきたいところですが、既にダイビングショップのスタッフになっている人でもなければこれは難しいですので、多くの人は現場でつまづき、学習しながらクリアしていく形になるでしょう。

また、講習開始前の時点で、達成自体が怪しいという苦手スキルがある場合は、すぐにでも克服すべきです。

現場での実践

現場での実務や管理を身に付ける、ダイブマスター講習の山場となる部分で、候補生には一番真剣に取り組んで欲しいところです。上記の学科や水中スキルの評価はどこの指導団体でもそこまでの違いは無いのですが、この実践部分は各団体のカラーも反映されていて内容はバラエティーに富んできます。しかし、どんな形であれ、現場に出て恥ずかしくない人材を育成するという目的は同じです。

実践的スキル

ここで行うのは基本スキルでは無くあくまで実践。実際の現場での準備や段取りに始まり、適切なブリーフィングから水中での安全管理までを、生徒役のダイバーを相手に実践します。

内容は多岐にわたるのですが、シナリオのような形で状況が設定され、その場その場に応じた柔軟な対応が求められます。実際にダイブマスターが担当できるコース、例えば体験ダイビングの一部分などを再現して、ゲスト役のインストラクターに適切なブリーフィングを行い、安全に引率しながら、意図的に起こるトラブルに対応していきます。また、ディープダイビングやサーチ&リカバリーなど準備や段取りが大事になってくるダイビングで、自主性が要求される課題が与えられます。

場合によってはインストラクターから厳しく指導されることもあると思いますが、この部分は評価ではありませんので、失敗から積極的に学ぶことが大切です。また、色々と初めての経験があり、面白く感じられる部分でもありますが、ただ体験するだけに終わってしまうのではなく、必ず自分のスキルになるように一定の緊張感を持って臨みましょう。

実践評価

ここまでの段階で、ダイブマスターとしての総合的な資質・スキルが身に付いているかを評価します。最終試験のような形ですね。

実際にゲストが参加する講習やファンダイビングで、インストラクターのアシスタントとして潜り、ダイビングのゲストコントロールを手助けしたり、インストラクターが直接手の届かないゲストのケア、トラブルの防止・対応といった部分が適切に行えているかを評価します。ダイビングのプロフェッショナルとしての能力があるか、つまりはゲストダイバーを実際に引率するだけの能力があるかが問われます。

これからダイブマスターになる立場の人間ならば、自分が評価をされているという事以上に、お金を払っているゲストに対応しているという事に対しても緊張感を持って欲しいですね。

また、この実践評価を含む講習全体において、ダイブマスターとしてふさわしい振る舞いや態度、発言が出来ていたかも評価の対象となりますので、一般ダイバーの良きお手本となるような行動を常に心がけましょう。

ダイブマスターのホントのところ

ダイブマスターはダイビングのプロフェッショナルと呼べるランクですが、実際のところ、ダイブマスターランクのまま長く働く人は多くありません。

やはり、仕事として出来ることが限られますし、本人たちのやりがいの面から考えても、インストラクターへとステップアップしていくのが自然な流れです。

その辺りの実情をダイブマスターのリアルな部分-就職・将来・出来ることのページにまとめてあるので、ダイブマスターを目指す人はぜひご覧ください!

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