ウミガメ-癒し系の大物-

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ダイビングでみられる生物には“アイドル”と呼ばれるような人気者もいますが、ウミガメもその一つかもしれません。

のんびり泳ぐ姿やとぼけた表情に癒されるダイバーも多いはず。ここでは、ウミガメの生態や写真撮影のコツをご紹介します。

沖縄でよく出会うタイマイ

沖縄でよく出会うタイマイ

大きさや見られる場所

日本近海で見られるウミガメは、アオウミガメ・アカウミガメ・タイマイ・ヒメウミガメ・オサガメの5種です。このうち、日本の砂浜で産卵することが知られているのはアオウミガメ・アカウミガメ・タイマイの3種。ダイビングで出会えるのも、ほぼこの3種類と言って良いと思います。

ウミガメの生息環境は幅広く、砂地から岩場、サンゴ礁まで色々です。流れが穏やかなところにいそうなイメージですが、激流になる場所にも出現します。どこのポイントでも出会う可能性があるのですが、ウミガメが集まるポイントがある海域では、カメリクエストを出せば90%以上の高確率で遭遇することが出来ます。

多くの爬虫類がそうですが、ウミガメもオスよりメスの方が体が大きくなります。貫禄たっぷりにたたずんでいる個体に出会ったら、老成したメスかもしれません。なお、ウミガメの仲間は爬虫類なので、大きさを表す時は甲羅の長さである甲長を使います。

アオウミガメ

アオウミガメ

3種の中で最もウミガメらしいという印象のアオウミガメ。丸くて優しい顔をしていて、模様がとても美しい甲羅は、大きいもので甲長1mになります。

日本では温帯から熱帯の海に広く生息しているのですが、イメージはどちらかと言うと南の海のウミガメという感じですね。

メスのアオウミガメはお気に入りの寝床を決める習性があるようで、一度居場所が分かると、しばらく同じ場所で出会うことが出来ます。

アカウミガメ

アカウミガメ

いかつい顔と体が特徴のアカウミガメです。頭が大きく、目つきもちょっと怖い感じ。首が太くて肩がガッチリしているラガーマン体型なので、遠くから見てもすぐにアカウミガメだと分かります。甲長は大きいもので1m程度。

国内では温帯から熱帯に生息しますが、アオウミガメとは逆で、熱帯よりも温帯のウミガメというイメージがあります。

アカウミガメの北半球での産卵地は、日本の砂浜がほぼ100%を占めるというデータがあり、貴重なアカウミガメを生かすも殺すも私たち次第ということです。

タイマイ

タイマイ

アオ・アカの2種と比べると少し小型で可愛らしい印象のウミガメがタイマイです。くちばしのように尖った口と縁がギザギザの甲羅が特徴で、タイマイも遠くから見てすぐに判別できます。甲長は90cmになるそうですが、ダイビングで見かけるのは大きくても70cmくらいのサイズが多いですね。

生息海域は熱帯の海になり、他の2種のように本州沿岸では見ることが出来ません。サンゴ礁のウミガメといったところで、沖縄では出会うウミガメの半分以上はタイマイだと思います。

初心者が水中写真を撮る時のコツ

ウミガメは普段は動きがゆっくりめなので、ストレスを与えなければ、初心者ダイバーでも撮影しやすい被写体です。見つけた時は間違ってもダッシュなどせず、排気音を抑えて、見て見ぬふりをしながら何気に近づきましょう。上手いアプローチが出来れば、1m圏内に入れます。

特に大きな個体は堂々としています。また小さなカメでも、お休みモードや食事中であれば、そこまで気を使わなくても近づけてしまいます。ウミガメ側が大サービスしてくれることもありますが、逆に負担を与えないようにしましょう。

撮影のポイントですが、いつ逃げられてもいいように、遠めから何枚か撮りながら近づいていきます。接近に成功したら、癒し効果のある顔をアップで撮ると面白いでしょう。ワイドコンバージョンレンズをお持ちなら、ワイドマクロの手法で撮ってみることをおすすめします。

またウミガメは肺呼吸をしているため、たびたび水面へと息継ぎに上がってきます。他の水中生物には無い独特のシルエットが特徴でもあるので、水面近くを泳いでいるところを、下から見上げるように撮るのも定番の構図です。透明度の良いエリアなら、水面と太陽光を活かす写真を意識してみましょう。

海の旅人・ウミガメ

ウミガメの仲間は太平洋や大西洋といった大洋を横断する習性があることでも知られています。私たち人間では想像もできないような途方もない距離を、泳いで旅するのです。

日本各地の砂浜はウミガメの産卵場所になっていて、生まれた子ガメたちは海流に乗り、太平洋を横断しアメリカ・メキシコなどの西海岸を目指します。太平洋の向こう岸に着く頃には数年が経って、もうある程度の大きさになっており、そこでさらに成長したウミガメは、また産卵のために生まれた日本の砂浜に帰ってくるのです。

私たちがダイビングで出会うウミガメたちは、大変な旅の末にこの海に帰ってきたわけです。それを考えると、今までと違った目で彼らを見ることが出来るでしょう。

日本はウミガメの宝庫?

ウミガメはダイビングで見られる大型生物の中では比較的出会いやすいのが特徴。少し気を使えば写真も撮りやすいため、初心者向けの大物という位置づけかもしれません。何となくポピュラーな感じなのですが、これは私たち日本人ダイバーならではの発想です。

実はウミガメは、どの種類もその数が危機的に少なくなっており、地球規模で見れば、ウミガメに出会える海と言うのは貴重なのです。例えばタイマイは、沖縄ではむしろよく出会うウミガメなので、あまり想像がつかないかもしれませんが、その個体数はかなり少なく、オサガメと並んで超希少種のウミガメだと言えます。

タイマイはワシントン条約のレッドリスト区分では、自然界で絶滅寸前とされています。これは、ダイバーにとってはウミガメをしのぐ人気者であるジンベイザメよりも、更に絶滅が危ぶまれているということになります。

日本沿岸はウミガメの産卵地という性格上、ウミガメに恵まれている海域なのです。私たちは彼らとの出会いを、もっと大事にしなければいけないんですね。

ウミガメのエサは何?

ウミガメはミステリアスな一面もあるため、「一体何を食べてるんだろう?」と思っているダイバーもいるかもしれませんね。基本的には雑食性なのですが、種類によって好きなエサが決まっているようです。

アオウミガメは海藻を主に食べており、アカウミガメは甲殻類や貝類を好むようです。おっとり系のアオウミガメと、肉食系のアカウミガメという、見た目のイメージ通りの食性が、調査によって明らかになっています。

ちなみにタイマイは特に雑食性が強く、カイメンが好きなのですが、サンゴをバリバリかじっているところも見かけますし、甲殻類も食べるようです。

ウミガメの肉が食べられる場所とは…

生物学的には大変貴重なウミガメなのですが、日本国内にその肉が食べられている地域があるのです。

それは世界遺産に登録されたことが記憶にも新しい、小笠原諸島。周りを海に囲まれた小さな島では、魚以外のタンパク源の確保が難しく、捕獲が禁止されつつも世界各地の島でウミガメが食されてきました。

現在小笠原諸島では、個体数の安定化のため年間の捕獲頭数が制限され、店で扱うことが出来る量にも限りがあります。いつ何時でも食べられるわけではありませんが、そのおかげで小笠原海域のウミガメの生息数は減っていません。

なお、食用にされるのはアオウミガメのみ。海藻を主食とするため、肉に臭みがなく、むしろ美味とさえ言われています。

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