ディープダイビングの魅力と注意点

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ディープダイビングは魅力のあるダイビングスタイルの一つです。ダイビングを始めた頃は、未知の領域である深場に憧れることもあるかもしれません。

ディープエリアには、ならではの魅力とリスクが存在し、それを理解してダイビングをすることが大切です。

神秘的な水中地形

神秘的な水中地形

ディープダイビングとは

「ディープ=深い」という意味は皆さんが知っての通りだと思いますが、ディープダイビングとは一体どれくらいの深さからのダイビングの事を言うのでしょうか?多くのダイビング指導団体では、レジャーでのディープダイビングは水深18~40mの深度内で行う事としています。その中でも、安全上推奨されているのは水深30mまでの水深です。

30mという数字を高さにするなら10階建てのマンションと同じくらい。けっこうな高さですよね。ダイビング中は水深を「海底から水面までの高さ」として意識することは無いと思いますが、水面からはそれだけの距離があるという事です。こう考えると、安全を踏まえた上で慎重に潜ろうという気持ちが出てくると思います。

ディープダイビングの魅力

深い場所は太陽の光が届きにくいのでエサも少ないのですが、その分敵も少なく、そういったところを好んで暮らす魚たちがいます。浅い場所では見られない魚たちに出会えるのはディープダイビングの魅力の一つです。深場には、模様や色が美しい魚も多いので、足繁く深場へ潜るベテランダイバーもいます。

また水深が深いという事は、それだけ水中の空間が広がるという事です。高低差のあるドロップオフや大きな洞窟といったダイナミックな地形は、その構造自体が縦に長いので、ディープエリアに潜れなければ充分に楽しめません。また大きな沈船も、浅場では波やうねりの影響を受けてその姿を維持しにくいので、見どころを残したまま沈んでいるものは深い場所にあることがほとんどです。

ディープダイビングの魅力

  • ディープならではの生物
  • ダイナミックな地形

ディープダイビングの注意点

ディープダイビングは、ダイビングの中でも特に注意が必要なジャンルです。

具体的には、以下のようなことを常に意識しておく必要があります。

深くゆっくりと呼吸をする

ディープエリアでは水圧が大きくなるため、気体の密度が高くなります。ダイバーが呼吸に使う空気も、深場では密度が高い状態で体に入ってくるのですが、この「密度の高い空気」を呼吸する際にはちょっとした注意が必要になってくるのです。

空気は酸素や窒素などの小さな小さな分子が集まって出来ているのですが、密度が高いという事はその小さな分子同士の距離が近いという事で、呼吸をした時に若干重たいというか、吸いづらく感じるようになります。イメージとしては、普通のジュースよりもマックシェイクの方がドロッとしていて飲みにくいのと似ています。深場ではいつも以上に「深くゆっくりとした呼吸」をするように教わった経験がある人もいるはずです。これは浅い速い呼吸では、ただでさえ呼吸のしにくい密度が大きい空気が更に吸いにくくなってしまうからなんですね。

エアーの減りが早くなる

空気の密度が大きくなると、エアーの減り方にも影響が出てきます。上でも説明したように、密度が高い空気では分子同士の距離が近いので、一回の呼吸でたくさんの空気が体内に入ってくるのです。

例えば、おにぎりを想像してみてください。力強く握ってお米の一粒一粒がぎゅっと詰まったおにぎりと、普通に握ったおにぎりを食べた時、見た目の大きさが一緒なら、力を入れて握ったおにぎりの方がたくさんのお米を食べたことになりますよね。これは力強くにぎったおにぎりの方が、お米の密度が高くなっているからです。同じことが空気にも言えるのです。密度が高い空気を呼吸していると、普通に息を吸っているつもりでも、いつも以上にたくさんの空気を使っていて、それだけ残圧は早くなくなっていくということになります。

つまり、深い場所では空気の密度が高くなることで、呼吸がしづらい上に、エアーの減りも早くなるので、無駄な動きを減らして無駄な呼吸をしないということが大事なんですね。

浮力変化に遅れず対応する

当然ながら、深く潜ると周囲の圧力は大きくなります。ウェットスーツの内側の気泡は小さく潰れて、浮力はだいぶ小さくなってしまいます。中性浮力を維持するためにはBCDにもたくさん空気を送り込まないといけなくなるわけですね。初心者ダイバーの場合はBCDの給気が遅れてしまう傾向があるので、ほとんどの場合、ディープエリアでは沈み気味になっています。給気のタイミングが遅れるほど給気量の感覚が鈍って、どのくらい空気を入れたらいいのかが分からなくなってしまいます。ディープダイビングでは潜降していくタイミングに合わせてこまめにBCDに給気していくことが特に大切になります。

そして浮上の際はBCDからたくさんの空気を抜く必要が出てきます。ディープダイビングの浮上では、多くの初心者ダイバーのBCD排気が不十分で、浅場に戻ってきた時にそのままフワフワ浮いていってしまいます。給気と同じで、ここでもこまめなBCD操作がポイントになるのです。自分が浮いているのか沈んでいるのか、BCDには今どれくらいの空気が入っているのか、という浮力の感覚を磨きましょう。

なお、ウェイトが適正量に調整されていると、このBCD操作も少なく済み、水深と浮力の変化に伴うストレスも小さくなります。

気体の麻酔作用(窒素酔い)

空気に含まれる気体は、密度が高まると人体に麻酔作用を及ぼします。麻酔作用があるメインの気体は窒素なので、窒素酔いと言われることが多いです。水深が深くなってくると、頭がぼーっとしたり、多幸感を自覚するようになります。その他、集中力や判断力、思考力の低下など、ダイビングの安全面に影響を与える症状も見られます。

その作用は水深が深くなるほど大きくなり、水深30mを超えるとはっきりとその影響が出てくると言われています。かかり方の程度は個人差があり、水深30mくらいでは自覚が無いダイバーも中にはいますが、水深50mを超えたあたりから誰もが麻酔作用を明確に自覚するようです。

人によっては水深30mより浅いところでも窒素酔いにかかる場合があります。自覚症状が出始めたら、ガイドやバディに申告してすぐに浅いところに戻りましょう。水深が浅くなると急速に症状が消えていくのも、気体の麻酔作用の特徴です。

減圧症のリスクが大きくなる

ダイバーなら誰もが知っている減圧症ですが、その原因は「深過ぎるダイビングと長過ぎるダイビング」です。レジャーのディープダイビングの範囲では深すぎるということはありませんが、水深が浅めのダイビングと比べて減圧症のリスクが大きくなるのは確かです。

そのリスクを出来るだけ回避するためには、慎重なダイビング計画がとても大事になります。ディープダイビングをする時は、いわゆる深場にいる時間を短めにし浅場での滞在時間を長くすることで、出来るだけ窒素の排出を促しましょう。またセオリー通り、ダイビング前半の早めの段階で最大水深に到達して、あとは水深を上げてくるのみというコース取りが良いですね。なお、1日の中で何回もディープダイビングを繰り返すのは、減圧症予防の点から見てもよろしくありません。

またディープダイビングをする時は、ダイビング中やその前後の激しい運動を控えたり、アルコールを摂取しない等、水深以外のところで少しでも減圧症のリスクを減らすことも大切です。

色の見え方が変わる

水深が深くなればなるほど、光の色は吸収されてしまい、光が深場に到達する頃には魚やサンゴ、ダイバーの器材など全てが青みがかって見えるようになります。透明度が高い海ではそこまで暗くなるケースはありませんが、生物の本当の色彩を見るためには水中ライトが必要になります。光を当てると別人のような美しさになる魚が多いのも、深場の特徴ですね。

色の見え方が変わること自体は大きな問題ではありませんが、窒素酔いなどと重なると、判断力の低下を招く原因にもなりますので気を付けましょう。

深く潜れることがスゴイわけでは無い

ある程度の水深に潜れることが上級者やベテランダイバーとしての条件のようになっている雰囲気もありますが、個人的にはそのような事は全くないと思っています。深場に魅力があるのと同じように、浅い場所には光が行き届き、生物層も豊かで、ダイビング本来の魅力がたくさんあります。

ショップのポイント選択の結果、ディープダイビングをすることになったとしても、何も必ず深い所に潜らなければダメということはありません。ディープダイビングのリスクを考えた上で、自分の体調や精神的な余裕と合わせて判断したらいいと思います。

深場には深場なりの、浅場には浅場なりの魅力があり、自分や周りの状況に合わせて安全に楽しめるのが、粋で大人なダイバーなのではないでしょうか。

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