フィッシュウォッチング③魚の生息環境と見つけ方のコツ

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ダイビングスキルが身に付き、だいぶ自分の思い通りに水中を楽しめるようになると、人気のある魚や好きな魚を自分で見つけてみたくなるでしょう。

それには、魚それぞれが好む環境を知り、効率良く探していくことがポイントになります。

自分で魚が見つけられるようになったらダイビングの面白さは倍増です。

ハダカハオコゼ

ハダカハオコゼ

生息環境が識別のヒントになる

魚の形や模様だけでなく、その魚がどこで見られたのかという情報は、種類を調べる時に役立ちます。

ガイドさんに「これくらいの大きさで○○色の魚がいたんだけど、あれは何ていう魚?」と質問すると、ほぼ必ず見た場所を聞かれると思います。

生物にはそれぞれ好きな環境が決まっており、プロのガイドはその辺の情報も含めて、種類を把握しています。

つまり、魚の生息環境が把握できれば、見たい魚を見つけられるようになるということですね。

海域

生息環境より広いくくりになりますが、生息海域です。太平洋、大西洋、インド洋など、地球上には海域がいくつかあり、基本的にはつながっているのですが、生物の行き来は行われないことも多く、海域ごとに魚の顔ぶれは変わります(被ることもあり)。

つまり魚を調べる時も、日本近海にいない種類はあらかじめ候補から除外出来るということです。

大きな規模の環境

図鑑などにも書かれている表現ですが、魚の生息環境を大きな視点で見ると、次のような場所が挙げられます。

ダイビングではこのレベルの環境ごとにポイントが設定されています。例えばアウトリーフのポイントだとか、内湾のポイントといった感じですね。それぞれの場所で、環境に適応した魚たちを見ることが出来ます

岩礁域:岩場が続いている地形のエリア。南の海でもサンゴが少ない場合は岩礁になります。

サンゴ礁域:南の海でサンゴが長い年月をかけて造る地形です。サンゴに住む褐虫藻が栄養分を作るので、周囲は生物層が豊か。

アウトリーフ:サンゴ礁の一部で、基本的には陸地に沿って発達するサンゴ礁の、外側の縁のエリアになります。

インリーフ:こちらもサンゴ礁の一部。アウトリーフとは反対に内側、陸地との間のエリアのことです。

内湾:波が穏やかな湾の奥のエリアです。陸地から河川が流れ込んで、汽水になっている場所もあります。

外洋:沿岸から離れた、流れのあるエリアです。ダイバーが完全な外洋を潜ることは多くありません。

小さな規模の環境

ダイビングポイントの中にもさらに細かい環境があり、魚たちは主にエサや隠れ家を求めて居場所を決定しています

魚たちの細かい好みが分かれば、自分で人気の魚を見つけることも可能です。

サンゴの周り:サンゴの近くには小さなスズメダイやハナダイの仲間が好んで暮らしています。普段はサンゴの外側でのプランクトンなどを食べていて、危険を感じると枝の間へ避難。

サンゴの隙間:ダルマハゼやサンゴハゼの仲間は枝サンゴの隙間から外には出ず、食事、繁殖など、生活の全てをそこで行います。

岩場の周り:ギンポやベラ、ブダイの仲間たちが藻類やサンゴの死骸を食べて暮らしています。小さい魚は岩の隙間に隠れることも。

岩場の穴:イシモチやテンジクダイ、色々な魚の子供たち等が隠れています。またその小魚たちを狙って、ミノカサゴやウツボも集まります。

洞窟・亀裂:光が届かずエサも少ないのですが、隠れるには絶好の場所。夜行性で暗闇を好むアカマツカサやハタンポが群れています。

藻場:魚にとってエサ場であり隠れ家でもある藻場。擬態上手なヨウジウオ、カワハギなどが見られます。

砂地:砂地にはハゼの巣穴がたくさん。他にはアナゴの仲間なども生息します。砂礫や砂泥など、砂の粒の大きさによって呼び名が違い、ハゼなどは場所に応じて住み分けをしています。

中層:中層は流れてくるエサを捉えやすい場所。潮通しの良いところには遊泳性の魚たちが集まり、それを狙って大きな肉食魚もやってきます。

表層:中層から襲われると逃げ場がない水面近く。そこに住むのはダツなど細く目立たない魚です。外洋の表層には流れ藻に付いて旅をする幼魚の姿も。

特定の生物上:ヤギやトサカ、イソギンチャクと言った特定の生物を住み家にしている魚もいます。代表的なのはイソギンチャクに住むクマノミ。

水深

同じような環境の場所でも、水深が違えば見られる魚も変わってきます。

例えばサンゴ礁外側の砂礫底ならば、水深5~20m辺りではハタタテハゼが生息していますが、水深30mくらいになると、珍しいアケボノハゼが見られます。

種類によって好みの水深があり、魚を探す時にヒントになります

魚の見つけ方

魚を見つけるためにはいくつかのポイントがあります。

まずは魚を知る

上でも解説しているように、魚は種類に応じて好きな生息環境や水深があります。そのため、やみくもに探すのではなく、まずは魚についての知識を身に付けることがポイントです。

最近どんな魚が見られているかなど、その海に関しての生物情報を事前に仕入れておくことも大切ですね。

環境を探す

そして実際のダイビングでは、自分の知識と新旧のデータに基づいて、見どころのある魚がいそうな環境を探していきます。ちなみにガイドが魚を探す時は、6割くらいは目的の魚をイメージしていて、残りの4割は偶然の出会いに期待しています。

例えば、「ここにはエサになりそうな小魚がいっぱいいるから、ハダカハオコゼがいるんじゃないかな…」と言う感じで魚を探すんですが、目的がはっきりしていると、お目当ての魚も目に入ってきやすいという事はありますね。

この例で言えば、目当てのハダカハオコゼはいなくても、似たような環境を好むオオモンカエルアンコウが偶然見つかるなんてこともあります。

自分の目をカスタマイズ

そして、探している魚に合わせて、自分の目の焦点距離を調整するのもポイントです。

例えば砂地に住むヤシャハゼを探す時には、常に5mくらい先をはっきり見るようにします。また、1,2cmくらいの小さい魚の赤ちゃんを探す時は、目をマクロモードにして、かなり近くを見るようにするのがコツですね。

イソマグロなどの大物を探す時には、暗闇で目を凝らすような感じで、海の青の向こうを見るようにするといいでしょう。ぼーっと影が見えてきたり、回遊魚の体らしいギラッとした光の反射が見えたら、少し寄って見るようにします。

普通のダイビングでは見られない魚も

ある程度魚の知識が付いてくると、「こいつは全然見たことないな」という魚が何種類か出てくると思います。

図鑑に載っている魚は、全てがダイビングで見られる魚とは限りません。黒潮が思い切り流れる超外洋をレジャーで潜ることは出来ませんし、深海なんかも無理ですよね。

ただ、ダイビングポイントに居そうで居ない魚というのも、図鑑には確かに載っていて、それは生息環境がかなりマニアックなため見ることが無いのかもしれません。

たまに船の掃除のために港の中で潜ったりすると、ずっと探していたレアな魚に出会うなんていう事もありますからね。

港の他にも水深1m以内の超浅場などは、ダイビングではなかなか潜る機会が無いので、見たことの無い魚たちがまだまだいると思います。

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