初心者ダイバーの減圧症対処-発見から病院まで-

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減圧症についてはCカード講習のマニュアルでも解説され、雑誌、インターネット上のダイビング関連メディアでも度々取り上げられています。

しかし、どちらかと言えば、ちょっと難しい理論を解説する内容のものが多く、初心者ダイバーがもしも減圧症になってしまった場合に参考に出来る、簡単なコンテンツが少ないように感じます。

もちろん、減圧症を予防する意味では、減圧症を深く理解することが不可欠です。それでも、初心者の方に必要なのは、ダイビング後に「何かおかしい気がする」と感じた時、すぐに思い出して確認できる減圧症についての知識だと思います。

ここでは、初心者ダイバー向けに減圧症に関する対処法を紹介しています。

(※インストラクターや医療関係者の皆様は、そんな単純なものではないと思われるかもしれませんが、出来る限りシンプルさを重視しての内容なので、ご理解ください。)

ヒトヅラハリセンボン

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どんなダイビングで減圧症になるか?

まず、どんなダイビングをすると減圧症になりやすいのかを見ていきましょう。

水中で体内に溜まっていく窒素が減圧症の原因になるのはご存知かと思いますが、その点で特に注意したいのが次の三つです。

窒素が溜まりやすいダイビング

  • 長すぎるダイビング
  • 深すぎるダイビング

窒素が体内で気泡化しやすい行動

  • 速すぎる浮上

長すぎるというのは潜水時間のことですね。大体1回のダイビングでは、30~50分くらい潜っていることが多いと思います。減圧症には水深も関係するので一概には言い切れないのですが、70~80分くらいの長いダイビングになってくると、水深が浅めでもリスクが出てくる可能性はあります。

水深が深すぎると減圧症の危険が出てくるというのは、イメージがしやすいと思います。普段は最大水深18m前後、平均水深10m前後のダイビングが多いはずですが、水深25mを超えた辺りから減圧症は確実に意識した方が良いと思います。ただし、あくまで潜水時間と合わせて考えることが重要です。

そして速すぎる浮上ですが、安全な浮上速度である18m/分を超え無い範囲での浮上を心掛けましょう。1分間に18m、つまり1秒間に30cmのスピードを超えないということですね。これは結構ゆっくりめのスピードなので、状況によって無理な場合は、せめて毎分18mより明らかに速いスピードでは浮上しないという事を意識しましょう。

上の三つの条件に一つでも当てはまる内容でダイビングをして、体に違和感があるのであれば、減圧症を疑う必要があります。

また、そこそこ長く、そこそこ深いダイビングをした場合には、上に挙げた目安の数字はあまり意味が無くなります。潜り方によっては、最大水深20m、潜水時間60分のダイビングで、減圧症になる人がいてもおかしくはありません。

ダイブコンピューターを過信しない

ダイブコンピューターはとても役に立つダイビングギアですが、無条件に信頼できるものではありません。

コンピューターの中に入っているデータは、元々は非常にアナログなやり方で計測されているもので、理論はまだ発達途上です。

さらに、減圧症の原因は、コンピューターで測れる潜水時間、水深、浮上速度だけではないからです。減圧症の発症には、ダイバーの年齢や体格、ライフスタイルなど、各個人の要素も関係していて、現在のダイブコンピューターはその辺をきっちり考慮できるものではないのです。

ダイブコンピューターを持っていた方が良いのは確実ですが、コンピューターが教えてくれる減圧不要限界(ノーストップタイム)のギリギリまで潜ろうとは思わない事です。

減圧症が疑われる症状

減圧症の詳しい理論も知っておくに越したことはありませんが、まず忘れず覚えておいて欲しいのが減圧症の症状です。

疑わしい症状を知識として知っていれば、もし減圧症にかかった場合でも、早い段階での対処が可能になります。

以下に主な症状を挙げておきます。

減圧症の主な症状

  • 皮膚のかゆみ
  • 四肢の関節・筋肉の痛み
  • 四肢のしびれ・麻痺・違和感・筋力低下・疲労感
  • めまい・難聴・耳鳴り
  • 息切れ・呼吸困難・胸痛・胸部の違和感
  • 頭痛・頭がぼーっとする・意識消失

皮膚のかゆみや関節痛は良く知られている症状ですが、手足のしびれや筋力低下、疲労感、頭がぼーっとするなどの症状は、一見エキジット後に疲れが出たものと勘違いされがちなので、特に注意して覚えておきましょう。

症状を甘く見ずに、少しでも気になる場合はインストラクターに相談して、医療機関にかかりましょう。

「自分は大丈夫」だと思いたい気持ちも分かりますが、もしものことを考えると、ちょっと敏感になるくらいでもいい気がします。

減圧症の自己診断

「減圧症になったかもしれないけど確証が持てない」という場合に、海からの帰りの時間などを使って、ひとまず自己診断する方法もあります。

体の腕や足、肩、お腹などの皮膚に刺激を与えて、感じ方の弱いところが無いか、左右差があるところが無いか、を調べていきます。また腕と足の筋力の左右差が、利き手利き足を考慮して普通の範囲かを調べます。

詳しくは、日本の減圧症治療の第一人者である医師・山見信夫先生が提唱する自己診断法をご参照ください。

病院へ行くまでの処置

減圧症の疑いがある場合は出来るだけ早く医療機関にかかりましょう。

病院ならどこでもOKというわけでは無く、高気圧酸素治療が可能な医療機関でなければ減圧症の治療は出来ません。

減圧症に対する高気圧酸素治療は、簡単に説明すると、減圧症の原因になっている窒素を体外に排泄する作用と、窒素によってダメージを受けた組織を回復させる作用があります。酸素吸入は応急処置としても有効なので、ダイビングボート等に純酸素キットが備え付けてあれば、利用させてもらうのも効果的です。

ダイビングショップでは各地域でこの治療が可能な病院を把握しているはずですので、スタッフに相談してみましょう。旅先であっても減圧症を発症している場合は飛行機での移動が出来ません。その場合はまず現地の病院で診察を受けて、その後、自宅から通える病院を紹介してもらうようにしましょう。

また、減圧症を発症している(もしくは疑いがある)場合、病院に行くまでに以下の事は避けるようにしましょう。

治療を受けるまでに避けるべきこと

  • 再度のダイビング
  • 飛行機や車、徒歩での高所移動
  • 激しい運動
  • 症状のある部位を過度に動かす
  • 熱いお風呂に長時間入る
  • マッサージ
  • アルコール摂取
  • 喫煙

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