インストラクターの最重要スキルは生物の知識では無い

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ダイビング雑誌やインターネットで取り上げられる人気ガイドは皆、生物に詳しそうな人達ばかり。ではインストラクターにとって、本当にそれが一番大事なスキルなんでしょうか?

ミスジリュウキュウスズメダイ

ミスジリュウキュウスズメダイ

インストラクターにとって本当に大事な能力とは

今のダイバー、特にファンダイバーの間では、魚をはじめとする生物の知識をたくさん持ったガイドが評価されやすくなっています。ガイドさんがダイビング中に人気の生物を見つけてくれると嬉しいでしょうし、ログ付けの時に魚の豆知識を披露されるとホント感心すると思います。

でも、ダイビングに関わるプロとして言わせていただくと、ガイドはお魚博士なだけじゃ全然ダメなのです。今、色んなところで名ガイドと言われている人のほとんどは、魚の知識だけでそこまで登り詰めた訳ではないはずです。これからインストラクターになる人には、そこを理解して欲しいわけです。

ダイビングの仕事に必要なスキルは色々

ダイビングインストラクターやガイドをするために必要なスキルは本当にたくさんあります。その中で一番分かりやすく、ダイビング雑誌などが取りあげやすいのが、そのガイドさんの「生物の知識」なだけなんですね。

試しに、ダイビングインストラクターやガイドに求められるスキルを挙げてみましょう。

  • プロレベルのダイビングスキル
  • 安全管理能力
  • 判断力
  • 体力
  • コミュニケーション能力
  • エンターテイメント性
  • リーダーシップ
  • 海洋の知識
  • 気象の知識
  • 器材の知識
  • 生物の知識
  • 潜水物理、化学、生理学の知識
  • 船の知識

1,2分間考えてざっと挙げたのがこんな感じで、細かいところではまだまだあるはずです。

皆が注目する、ガイドさんの生物知識ですが、ダイビングガイドやインストラクターとして働くための資質のほんの一部だということが分かると思います。

そして、ハッキリ言ってしまうと、ダイビングの仕事をするために一番大切な能力は生物の知識ではありません。お客さんからは分かりにくい部分ですが、ガイドとして、インストラクターとして、もっと大事な部分はたくさんあるのです。

参考ページ:ダイビングインストラクターならば持つべき心構え

魚の知識よりも大事なこと

では、生物の知識や、魚を見つけることよりも大事なこととは、何なんでしょうか。それはまず安全管理能力。そして人を見る力です。上に挙げたものの中で言うと、判断力や、コミュニケーション能力になりますね。

安全管理の大切さと難しさ

ダイビングは安全であってこそのレジャーです。当たり前ですが、無事に帰れるか分からないような状況では生物どころじゃありません。九死に一生の状態で、「あれが珍しいホソスジマンジュウイシモチだよ」と言われても、「ふざけてんのか!」と思いますよね。

そして、インストラクターになってまず感じるのが、安全を守ることの難しさなのです。ゲストの周りから、一つ一つリスクを取り除いていく作業は、いつでも神経を使うものです。その努力はゲストに気づかれないものも多く、正直報われない作業です。 安全であることは当然で、何も業者側が売りにする部分ではありませんからね。

しかし、安全管理が適切に出来るインストラクターこそが、本当に優れたインストラクターです。お目当ての生物が見つからない場合は「すいません」で済みますが、事故が起きてしまった場合、単純に謝るだけで済むわけはありません。

参考ページ:インストラクターにとって最も大切な仕事とは

人を見る能力とは

安全管理能力と並んで大事なのが、人(ゲスト)を見る能力です。ダイビングインストラクターが安全に、そしてゲストが満足するダイビングを提供するには、いつもゲストの様子をうかがい、実際に話をしてみて、そこからたくさんの情報を拾い上げなくてはなりません。

  • 今日のダイビングに何を期待しているのか?
  • どんなストレスを抱えているのか?
  • 周りのダイバーとは上手くやれているのか?

このような情報をゲストを見て、話すことによって仕入れ、自分の接客やガイディングに活かしていくんですね。

ダイビングは接客業なわけで、日々ゲストの顔ぶれは変わっていきます。そして海の状況も常に変化し続けます。そんな中で、より良いサービスを提供するためには、常にアンテナを張って情報を集め、最適な判断をしていく能力が必要になるのです。

エンターテイナーとして必要な生物の知識

それでは、生物の知識はダイビングの仕事をする上で、重要ではないのでしょうか?

いやいや、そんなことはありません。最重要では無いとしても、生物の知識はダイビングインストラクターやガイドにとって大事な商売道具です。

ダイビングはレジャーであり、エンターテイメントです。ダイビングの単純な面白さの部分になるのが、生物や水中地形、水中写真だったりするわけで、そこに関する知識がなければ、海の中でダイビングインストラクターはただの教官になってしまいます。課題を教え、水中の道案内をする人のどこに魅力を感じるでしょうか?陸上でちょっとくらい親切なだけでは、エンターテイナーとしてやはり力不足です。

安全管理や接客のスキルがあり、ベースがしっかりしている人に、更に生物の知識があれば最強。鬼に金棒です。ただ、上でも書いた通り、その逆はダメダメですのでご注意下さい。

参考ページ:ダイビングインストラクター、仕事の難しさ。

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