ナチュラルナビゲーションの方法と実践でのコツ

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ナチュラルナビゲーションは短時間で判断を下すことが出来、ガイドからすればゲストにも目を配りやすいため、コンパスナビゲーションよりもよく使われる方法です。ただ、コンパスナビと比べるとマニュアル化されておらず、経験でしか得られない部分が多いのも実際のところです。

ここでは、ナチュラルナビゲーションの方法や実践法、上達のコツを解説していきます。

オオモンカエルアンコウ

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ナチュラルナビゲーションとは

ダイビングシーンでよく活用されるナチュラルナビゲーションは、自然の地形や生物、人工物、自分の体を使って、今いる場所を把握し、岸やボートの方角や距離を判断する方法です。しかし広い意味で言えば、ナチュラルナビゲーションはダイバーだけでなく、大人から子供まで一般の人たち全員が実践しているナビゲーションだと言えます。なぜなら、このナビゲーション方法はそのまま陸上での日常生活にも当てはまるからです。

あなたが職場や学校や普段買い物をするスーパーに出かける時の事を考えてみてください。交通手段は色々だと思いますが、基本的には、よく知っている街の景色や建物を元に道を判断して目的地を目指すでしょう。またその延長で、行ったことは無いけど、普段のルートを少し外れた所にいい感じのカフェがあることを知っていて、実際に行こうと思えば既に知っている道や周りの景色、友人の話なんかを参考にして、ほぼ迷う事も無く辿りつけるはずです。そして、万が一道に迷ったとしても、勝手の分かる街の中ですから、大きな建物や道路、線路の感じなどから判断して、大体で移動していけば、知っているところには出られるでしょう。

これこそが、ナチュラルナビゲーションなのです。海の中の色々な条件から自分の現在地を判断して、自分の住む街を歩くような感覚で安全に海の中を楽しめるナビゲーションの方法という事です。ただしその性質上、比較的よく知るダイビングポイントでこそ、効果を発揮する方法だとも言えます。初めて潜る海では、地形や目印となる構造物の情報が不足していて、ナチュラルナビゲーションをするには難があります。頭に地図を描く能力に長けているガイドであっても、初めてのポイントでは、その海を満喫することより、安全に帰ってくることを第一目標にするでしょう。

時間がかからず周囲にも気が配れるため、ナビゲーションのメインスキルとされるナチュラルナビゲーションですが、全く初めてのポイントのような、無の状況から何かを生み出すことを苦手としていて、その点では、どこでも一定の視標を作り出せるコンパスナビゲーションの方が頼りになります。まだ地形を思い描けないようなポイントでは、コンパスを使いながらナチュラルナビゲーションを仕上げていく必要があります。ただ、基本的にレジャーダイビングでは、ガイドのポイント開拓などを除いて、全く情報が無い場所で潜るという事はありません。ゲストレベルならなおさらです。

ナチュラルナビゲーションのみで真っ直ぐ進む

コンパスを使うことなく、ナチュラルナビゲーションのみでも真っ直ぐに進むことが出来ます。ただし前提として、進むべき方向が予め分かっていることが条件です。たとえば、よく知っているポイントで、「この根から真っ直ぐ深場の方へ砂地を泳いでいくと、いつもウミガメが昼寝をしている場所がある」というような情報がある場合です。

ナチュラルナビゲーションで真っ直ぐ進む方法

  1. 進むべき方向へ体を向け正面に目標物①を定める。
  2. その目標物①の向こう、延長線上にもう一つ別の目標物②を作る。
  3. 目標物①と②、そして自分が一直線になるようにして進む。
  4. 目標物①の上に到着したら、その目標物②の方を見て、その向こうの延長線上にもう一つ別の目標物③を作る。
  5. 目標物②と③、そして自分が一直線になるようにして進む。
  6. 4.と5.を繰り返して、目的地を目指す。

ポイントは常に目標物が自分の前に二つ以上ある事です。コンパスを使わないので、進行方向がズレないようにするには最低二つ目印が必要なのです。

目標物を定める時、場合によっては進行方向へ手を挙げて、真っ直ぐの角度を測るために使ってもいいでしょう。また、不安がある場合は必ずコンパスを併用しましょう。

そして目的地到着後は、帰りのために元来た方角をコンパスで調べておいたり、最後に使った目標物がある方向を覚えておくと便利です。

ナチュラルナビゲーションに使える材料

ナチュラルナビゲーションでは水中の自然物や生物、人工物を利用します。具体的にはどんなものがあり、どのように利用できるのかを見ていきましょう。

地形

地形を覚えることはナチュラルナビゲーションの基本ながら、規則性のようなものが無く、場所によっては覚えにくいことも多いです。広い砂地に根が点在しているのであれば、それぞれの根の形や大きさを覚えます。ドロップオフが基本の地形であれば行き帰りの道順は簡単ですが、どこに面白いクレバスがあるとか、どのあたりから沖側に泳ぐと離れ根が合って大物が狙えるとか、そういった情報はドロップオフ壁面の微妙なへこみや、周りの岩の形などを把握していないと活かせません。

水深

水深も地形と並ぶナチュラルナビゲーションの基本要素。根の形や大きさと合わせて水深を覚えておくことで、目的の地形を探し出すことも簡単になり、また立体的に水中のコース取りをイメージできるようになります。

おおまかな自分の位置を割り出す時にも、水深は重要。想像がつくと思いますが、ビーチダイビングならば沖に行けば行くほど水深が深くなる傾向がありますし、ボートダイビングでも係留ブイが設置されている水深を把握しておくことで、自分とボートの位置関係をつかみやすくなります。

砂紋

砂地のポイントで役に立つのが砂紋です。砂地の特徴として、波の作用で海岸線と平行に美しい砂紋が出来ることが挙げられます。この砂紋に対して直角の方向に、なおかつ水深が浅くなっていくように進むと陸地にたどり着けるわけです。

潮流

潮流の向きは必ずしも一定ではありませんが、事前に情報を収集しておけばナビゲーションのヒントにはなります。またコース取りのセオリーとしては、ダイビングの前半は流れに向かい、後半は流れに乗って戻ってくるようにします。

生物

生物ならば何でもいいというわけではありません。基本的には、滅多な事ではその場を動かないものが目印になります。例えばサンゴやイソバナ、ヤギ、カイメンなどです。大きくて目立つとか、変わった形をしていると分かりやすいですね。イソギンチャクとクマノミもナビゲーションに使えますが、クマノミがいなくなったり、種類が変わっていたりすることもあるので注意です。

人工物

人工物を目印にする場合は、なるべく大きくて動かないものがいいですね。アンカーや鉄骨、テトラポッド、しっかり固定されている場合はロープやブイも目印にして移動の基点に出来ます。

大まかなポイントのイメージをつかむためのものとして水深や潮流、砂紋があり、コース取りや方向転換の基点になるのが生物や人工物です。地形には大きなものも小さなものもあるので、前者と後者の両方に利用できます。また水深も地形と組み合わせれば万能の判断材料になります。

ナチュラルナビゲーション上達のコツ

ナチュラルナビゲーションはコンパスナビゲーションと比べると、明確なルールが少なく、どこか自由な感じでとらえどころがありません。精度を高めるためには、知識があるだけではダメで、より多くの経験がものを言います。

頻繁に通って潜りこめる、ホームグラウンドと呼べるようなダイビングポイントを持つのが、ナチュラルナビゲーションの上達には一番の近道だと思います。はじめはガイドのコース取りを参考にして、地形や水深、基点になりそうな目印をいくつもピックアップしていきます。

何度も潜り続けるうちに、頭の中にぼやーっとポイントの全体像が出来てくるはずなので、それを水中地図に書き起こしてみましょう。イメージはアウトプットすることでより形が明確になります。ダイビングを重ねる度に、地形や水深などの情報を集めていき、地図に加筆修正をしていきましょう。

地図の内容が実際のダイビングポイントに近づいてきたら、実際にナビゲーションをしてみるといいでしょう。マンツーマンで潜れそうなシーズンオフを狙って、信頼のおけるガイドに監督をお願いしてみるのもいいですし、お互いにリラックスして潜れるバディと二人でダイビングをしてみるのもいいでしょう。「自分で潜っているんだ」という主体性を持ってダイビングをするようになると、ナビゲーション技術はうなぎのぼりにアップしていきます。また、一か所のポイントがほぼマスターできれば、ナビ感覚が頭と体に備わるので、他のポイントでも応用が効きます。

最後に補足ですが、ナチュラルナビゲーションを仕上げていく中で、とても役立つのがコンパスです。コンパスナビは、ポイントの情報が比較的少ない段階に強く、ナチュラルナビで予測した内容をコンパスを使って実際に裏付けたり、カバーしきれない部分を補ってくれます。ナチュラルナビゲーションだけでポイントの大部分を回れるようになった後も、状況次第でコンパスがピンポイントで活躍することも多く、ナチュラルナビゲーションとコンパスナビゲーションは互いに補完性が高いスキルだと言えます。

ナチュラルナビゲーション上達のコツ

  • ホームグラウンドを持つ
  • 水中地図を描く
  • 実際にナビゲーションをしてみる

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