全てのダイバーが知っておくべきエア切れ対処の実際

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実際のダイビングで、本当にエア切れを起こしてしまったら、あなたは落ち着いてバディのオクトパスをもらうことが出来るでしょうか?

エア切れを起こしたダイバーはパニック状態に陥っているため、他のダイバーがくわえているメインのレギュレーターを奪い取ってしまう事があります。そうでなければ急浮上をすることになるでしょう。

つまり、講習で習得したオクトパスブリージングは、完全なエア切れの状況では機能しない可能性が高いという事です。

これを踏まえて、本当のエア切れ時に助かるための対処を考えてみたいと思います。

オイランハゼ

オイランハゼ

オクトパスの使い方の実際

実際に機能しない可能性があると言っても、オクトパスブリージングが最も安全な対処法であることは確実です。エアをもらえそうな誰か(ここではバディとします)が少なくとも2,3m以内の距離にいて、残圧も余裕があるのなら、間違いなくオクトパスを使うべきです。

ただし、上でも述べたように、エア切れを起こしたのがあなたであろうとバディであろうと、相手のオクトパスを探してからくわえる余裕はないと考えた方が良いでしょう。

危機的状況では、多くの場合目につく呼吸源、つまりメインのレギュレーターを奪い取るようにくわえてしまいます。くわえていたレギュレーターを奪われた方はたまったものではなく、今度は自分が呼吸に苦しむ状態になってしまいますよね。

この状況に対応するには、発想を逆転させることがポイントになります。

どういう事かと言うと、「完全なエア切れになったダイバーには、オクトパスでは無く、始めからメインのレギュレーターをあげるもの」と考えてしまうのです。そして自分自身はオクトパスをくわえるものと考えておけば、例え相手に自分のレギュレーターを取られてしまっても、行動が受け身になったというだけで、比較的焦らずオクトパスをくわえられるはずです。

もちろんこれには、「メインのレギュレーターはあげるもの」という思考の定着と、オクトパスリカバリーの習慣化が条件になります。

そして、バディなどの他のメンバーが、積極的ではないにしろエア切れ対処の一つの手段として、この方法を認識しているのが理想です。そんなこともあり得ると思っておけば、レギュを奪った奪われた、ということで焦ってしまう状況は少なくなるのではないかと思います。

ガイドやバディとの距離感

では他に考えられる状況として、エアをもらえそうなダイバーが近くにいない場合はどうでしょうか。

オクトパスが本来とは違う使い方をされるケースがあるように、ここでも、リアルな現場の事情というのが出てきます。

原則として、バディとは常に近い距離でコンタクトを保つのが理想的とされつつも、実際のダイビングでは絶対にバディと離れないとは言い切れません

完全なエア切れ状態でオクトパスをもらうためには、バディ同士の距離が遠くても3m以内でないと厳しいでしょう。さすがに、バディとずっと3m以内の距離を保ったままダイビングを続けるのは、自由度がかなり少なくなり、ダイビングの目的が変わってしまうような、ちょっと味気ない時間を過ごすことになります。

つまり、四六時中エア切れのことを第一に考えて潜るのはナンセンスで、通常はバディとアイコンタクトが出来れば少々離れることだってあるわけです。これはガイドとの位置関係でもほぼ同じことが言えますね。

そういったわけで、いざエア切れと言う時に、必ずしもオクトパスをもらえそうな誰かがすぐ近くにいるとは限らないのです。

もちろん、エアが少なくなってきたらバディやガイドの近くにポジションを取るのはまず常識なのですが、エア切れの瞬間、近くに誰もいないケースというのは思っているよりはあるはずです。

緊急スイミングアセントの実際

近くに誰もいないエア切れ時に有効になるのが緊急スイミングアセントです。

「近くに誰もいない」と言うのがまた微妙な判断基準で、実際には視界に誰か他のダイバーがいても、緊急スイミングアセントを選択するべき場合はあります。

距離的にちょっと遠いとか、現在移動中ですぐに追いつけるか微妙、というように若干の迷いが生じている状況であれば、時間がもったいないのですぐに緊急スイミングアセントを始めましょう。

講習では水深9m以浅の場所で行われるように、大体10mより浅い場所では確実に選択肢の一つになります。

水深をもっと突き詰めて考えると、「誰でも一分間くらいは息が続くこと」や「適正な浮上速度が一分間に18mであること」から、水深18mくらいまでなら緊急スイミングアセントが使えると判断できます。

なお、さらに水深が深い場合のことは別の記事で取り上げていますので、そちらを参照してください。

もちろん、水深が深くなるほど難易度は増し、減圧症など安全上のリスクも高まりますが、まずは意識のあるまま水面に到達することを優先させるべきです。

スキル自体の細かいやり方が違っていても構いませんが、最低限以下の三つは守りましょう。

  • 息を止めず吐き続ける
  • 浮上速度は息が続く限り抑える
  • 水面を見上げる(移動距離を最短にするのと気道を確保するため)

オクトパスブリージングの価値とは

ここまでの話を考慮すると、講習通りのオクトパスブリージングなんて必要のないスキルなのか、ということになってきますが、決してそんなことはありません。

上に挙げた方法はあくまで極限状態でのお話です。完全なエア切れにはなっていない状態、つまり少々の残圧が残っている状態であれば、まだ比較的落ち着いた行動が可能なので、オクトパスブリージングは極めて有効です。

むしろ、完全なエア切れになるまで、自分もガイドも気が付かないというケースこそが珍しいので、ほとんどの場合はオクトパスブリージングで何とか事なきを得られるはずなのです。

そのため、完全なエア切れを起こさないように、残圧の状況に応じてバディやガイドとの距離を詰めておくこと、早めにオクトパスに切り替えることが重要になります。

もっと大事なのは、エア切れの可能性が出てくるようなダイビングはしないこと、ガイドに早めに申告をすることです。

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